両親が滞納した税金ってどうなるの?

両親が亡くなり、数日が経過した後に、「実は、借金があったことが判明した・・・。」ということは多々あります。
同様に、自宅(不動産)を残して両親が亡くなった場合、あとで「実は、固定資産税を滞納していたことが分かった・・・。」ということもあります。
両親が高齢だった場合、収入が年金だけでは、生活費だけで底をついて、税金を支払う余裕までないことがよくあるのです。
このページでは、「誰に支払い義務があるのか」「どんなものが相続されるのか」「どんな対処法があるのか」を解説します。
目次
両親が滞納していた税金などの支払い義務は誰にあるの?
亡くなった両親が滞納していた税金は、誰が支払わなければならないのでしょうか。
一般的に『相続』というと、土地、建物、預貯金などの財産を思い浮かべるかと思います。その財産の分割をめぐって兄弟間や親族間で骨肉の争いをする場面はドラマや小説でよく見ますね。
しかし実際は、借金や滞納していた税金の支払い義務など、決してプラスとなるような相続だけでなありません。
通常、滞納していた税金の納付義務については、相続人に承継されます。自宅の名義が父ならば、その妻と子が相続人となり、妻がいなければ子が相続人となります。
つまり、妻や子に支払い義務があるのです。
父が亡くなった後しばらくしてから、市役所や税務署から滞納明細が届いたときに初めて滞納していたことに気づく・・・ということがよくあります。
「お父さんが残してくれた遺産で老後はゆっくり過ごそう」と考えていたところ、実は借金や滞納税金の請求に追われる毎日になってしまった・・・ということが現実として起こり得るのです。
そのため、普段から、税金を納付しているかどうか、借金はどれくらいあるのかについては、把握しておくことをおすすめします。
支払いの義務が発生するものには何があるの?
相続人が支払い義務を負うものにはどんなものがあるのでしょうか。
①税金
固定資産税、住民税など、両親が生前に滞納していた税金の支払い義務は、通常、相続人に引き継がれます。市町村の手続きにおいて、相続人と推定される人が「納税者」となり、その人の元へ自動的に納付書が届きます。
②住宅ローン
両親が残した自宅の住宅ローンの返済がまだ残っている場合、その残りの返済義務をそのまま相続することなります。
③マンションの管理費・修繕積立金
両親がマンションを所有しており、そのマンションの管理費・修繕積立金を滞納していた場合、マンションの所有権とともにそれら滞納金も引き継がれます。
④クレジットカード
両親がクレジットカードを使用していた場合、そのカードを引き継ぐことはできません。ただし、そのカードの未払い分の支払い義務は相続人に相続されます。
⑤国民健康保険
国民健康保険を滞納していた場合、財産の一部として相続人に支払い義務が発生します。
⑥借金
両親が残した借金の返済義務は、住宅ローンと同様に相続されます。
債務を相続しなくてよくなる方法とは?
債務を相続しなくても良いくなる方法は、「相続放棄」と「限定承認」の2つです。
「相続放棄」とは
相続人が相続するものをすべて放棄することです。プラスの相続財産も、マイナスの相続財産(借金)についても、すべて初めから相続人でなかったことになります。
「限定承認」とは
プラスの相続財産からマイナスの財産(借金)を差し引いて、それでも財産がプラスであればそれを相続するということです。
ただし、この相続放棄と限定承認には注意点があります。
注意点① 相続開始を知った時から3カ月以内に手続きする必要がある
相続開始を知った時とは、被相続人(両親など)が亡くなったことを知った日のことです。この日から3カ月以内に相続放棄または限定承認の手続きを家庭裁判所にしなかった場合は、「単純承認」となり、すべてを相続してしまいます。
注意点② 限定承認には税金がかかる
限定承認は、プラスとマイナスの相続財産を差し引きして、プラスになる場合のみ相続するという便利な制度です。しかし、"みなし譲渡所得課税"という税金がかかります。
みなし譲渡所得課税とは、時価で財産を譲渡したとして被相続人(両親など)にかけられる税金です。この税金もマイナスの財産とし相続財産になります。そのため、この税金分も差し引かれることになるのです。
相続放棄ができないケースとその対処方法とは
相続放棄は、相続開始(被相続人の死亡)を知った時から3カ月以内に家庭裁判所に申し出る必要があります。
そのため、葬儀をしたり、遺品を整理している間に3カ月を経過してしまうと、もう相続放棄をすることはできません。
対処法としては、
①誰が相続人であるか把握すること
例えば、父が亡くなった場合は妻と子です。父が亡くなり母がすでに亡くなっている場合は子のみです。
②亡くなったことを知った日を把握すること
"亡くなった日を知ったとき=相続開始を知ったとき"です。
この2点に注意して、相続放棄すべきかどうか熟慮する良いでしょう。
また、相続放棄ができる期間は、あくまで相続開始を"知った"ときから3カ月です。逆に言えば、死亡したことを知らなければ、この3カ月という期間が開始されません。死亡後3カ月が経過したとしても、その事実を知らなければ、相続放棄することは可能なのです。
任意売却をした後の残債務についても、相続放棄をすることが可能です。
よくあるパターンとしては、両親が任意売却をして高額な残債務が残った場合、両親が亡くなった際にその子どもが残債務を引き継がないようにするために相続放棄をするケースです。
当協会でもそのあたりのことをアドバイスさせていただいておりますが、任意売却後の残債務の支払いについては各金融機関は柔軟に対応してくれますので、厳しい督促もないため、却って残債務があることを忘れてしまいがちです。
くれぐれも忘れてしまわないように、お子さんにも任意売却をしたことはお伝えいただきたいです。
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